バレエやダンスやっている方や年齢を重ねている方で、膝に水がたまってお困りの方は多いのではないでしょうか?
膝に水がたまっていると、動きが悪くなるだけでなく、痛みが出て違和感も強いですよね。何とか痛みや違和感を無くして、昔のようにスムーズな膝に戻ってほしいと思われている方はとても多いと思います。
この膝にたまった水、いったいどうして起こっているのでしょうか?その原因を知りたくないですか?また、どうやって対処したらよいのか?と迷っている方も多いと思います。
今回は、膝に水がたまる原因と対処法についてまとめていきたいと思います。
目次
膝に水がたまる原因は?
この膝にたまる「水」と呼ばれているもの。まず、これはいったいなんなんでしょうか?
膝の水は別に水道の水がたまったものではありません。膝の水は人間の体の中にある関節と呼ばれる箇所の潤滑液の役割をする「滑液」と呼ばれるものなのです。
よく見ると色は、淡黄色透明でヒアルロン酸と糖タンパク質を豊富に含む液なんですね。
滑液の役割は主に2つあります。
- 関節の動きをスムーズにする潤滑油の役割
- 関節と関節の間に存在する軟骨の栄養分
1の潤滑油の役割とは、関節の動きをスムーズに動かす役割のことです。さまざまなスポーツで素晴らしい動きができるのは、この滑液による関節のスムーズさがあるからなんです。
2の関節の間に存在する軟骨の栄養分については、はじめて聞く方も多いはず。とくに膝の関節には内側に内側半月板、外側に外側半月板と呼ばれる軟骨が存在します。滑液は、この軟骨に対する栄養分なんですね。
膝の水はどこから来るの?
ところで、膝の水の正体である滑液は、いったいどこからやってくるのでしょうか?
私たちの関節には、関節包と呼ばれる2層構造の膜があります。外側が線維膜、内側が滑膜と呼ばれているのですが、「水」と呼ばれている滑液を出して(分泌といいます)いるのは内側の滑膜になります。
滑膜が刺激されると、滑液が分泌される というわけですね。水がたまる原因は、この内側の膜である滑膜が必要以上に刺激され、そのために過剰に滑液を出してしまうためなのです。
これらは、専門的には「関節水腫」と呼ばれています。
では、なんで滑膜が刺激されてしまうのか?
膝の水の正体である滑液は、滑膜が刺激されることによって必要以上に分泌されてしまうということでした。では、そもそもなぜ滑膜が必要以上に刺激を受けてしまうのでしょうか?
その原因として考えられているのが、加齢や無理な動きによる軟骨や骨の擦り減りです。
本来、関節のクッションとして働くはずの軟骨などがすり減ってしまった時に生じるカスなどが滑膜を必要以上に刺激して、滑液=膝の水を大量に分泌させてしまうというわけです。
裏を返すと、膝に水が溜まりやすい方は膝のクッション機能がすり減って低下している可能性が高いということです。
ですので、膝の水を引かせる処置と一緒に、すり減ってしまったクッション機能の回復を助けてくれるサプリメントなどが有効になります。
膝のクッション機能回復を助けるサプリメント
一昔前までは膝のサプリメントといえばグルコサミンの一択でしたが、最近は新しい成分もどんどん開発されてきています。
プロテオグリカン配合【北国の恵み】
10日分ではありますが、たったの480円で試すことが可能です。
iHA配合【タマゴサミン】
どちらも比較的定額で試せるので、ご自身に合うと感じた方を続けてみてください。
膝に水がたまった時の対処法 冷やす?湿布?治療?
実際に膝に水がたまると、
- どのように対処したらいいの?
- 冷やしたらいいの?
- 温めたらいいの?
という疑問がおこりますよね。このとき重要なことは、初期段階かそうでないかで必要な対応が異なるということです。
72時間以内の初期段階の対応
水がたまりはじめた24~72時間の初期段階ではいわゆる炎症反応が起こっている可能性が高いので冷やしてあげるといいでしょう。
ただし、冷やすにも注意が必要です。どのような素材のもので、どのくらいの時間、どのくらいの範囲を、何℃ぐらいで直接なのか、間接なのかがとても重要な問題となってきます。
もし冷やす場合では、直接的に冷やさないように注意してください。
具体的には、手ぬぐいなどをアイスノンと肌の間に入れてあげるとよいです。(ただし、高級なタオルなどふわふわした生地ですと厚みが増して冷却の伝導(伝わり)が悪くなるので、注意が必要です)
目安としては、10~15分の冷却ののち10~15分のお休みを1ク-ルとして多くて3クールぐらいにしておいてください。時間的にはこれぐらいで十分です。
72時間以上経過場合の対応
そして72時間以上経過して水がたまった症状に関しては、実は冷やしても温めてもあまり変化はありません。
湿布はどうですか?ともよく聞かれますが、この湿布は水がたまった症状には湿布を貼っても貼らなくても症状に大きな変化はみられません。
皮膚面からの消炎鎮痛剤では、膝の水に対応はできないんですね。
膝の水を抜く以外の治療ってあるの?
病院の整形外科を膝に水がたまった状態で受診すると、まずレントゲンを撮り骨に損傷がないかどうか確認をおこないます。特に異常がなければ膝の水を注射器で抜く関節穿刺(かんせつせんし)と呼ばれる治療が一般的になります。
膝の水を抜くとクセになる?
ですが、膝の水をぬくとクセになる!という話を聞いたことがあるかもしれません。
それはなぜなのでしょうか?
まず、膝に水がたまった状態は内圧が高くなっている(風船が膨らんだ状態)状態です。この状態の膝の水を注射器で一気に抜くと内圧が低く(風船がしぼんだ状態)なります。
内圧が低くなると、関節からの神経的な反応が緩まる状態になるので、痛みや違和感はすぐに弱まります。しかしこれは一時的な改善の状態で、不安定感は改善していません。
ですので、痛みがなく違和感も良くなったと勘違いしてしまい、いつもと同じような階段の上り下りやバレエやダンスのレッスンなどを行うと、すぐにまた滑膜が刺激され滑液が出てきて、再度水がたまる状態になるのです。
これがくせになると言われる所以です。
不安定な状態にも関わらず、痛みや違和感が少なくなるために良くなったと勘違いしてしまい強い刺激を加えてしまうためにおこるためなんですね。
ですので関節の水を抜くのであれば、その抜いた後にしっかりと膝を安定させることが重要になります。膝を安定させることにより滑膜への刺激が少なくなり滑液の出が安定してきます。
膝の水を抜かない治療法
水を抜いてから関節を安定させるというのは分かったけど、やっぱり注射器で水を抜くのは怖いな~という方も多いはず。そのほかに治療法はあるのでしょうか?
そんな方にピッタリな方法としておすすめなのが、 膝のお皿の周囲だけ圧迫固定するテーピング療法 です。
えっ!そんな方法で無理でしょうと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、これ本当によく効くんです。
膝に水がたまった状態になると膝の皿を押した時にプヨプヨと浮いているような感じがしますが、これは、膝蓋跳動と呼ばれた状態です。
膝に水がたまった状態では、膝蓋骨と呼ばれるお皿が不安定になります。この不安定になっているお皿をテーピングによって安定させ、圧迫することで、膝の水をひかせることができるんですね。
できれば信頼できる医療機関で熟練の先生にテーピングをしてもらいましょう。もしお近くにそういった方がいらっしゃらない場合は、しっかりと膝をホールドして安定してくれるサポーターを選ぶようにして下さい。
まとめ
膝の水がたまった症状は、何より困ったもの。
満足いく動きを早く取り戻したいはやる気持ちをちょっと押さえてまずは、しっかりとした医療機関やけがが専門の接骨院で状態を確認して、しっかりとそしてじっくりと対応したいものですね。