夏休みなど、長期休暇の課題として出ることもある、読書感想文。
読書なんてほとんどしないよという人はもちろん、普段から読書する習慣のある人にとっても、なかなか感想文をまとめるというのは骨が折れますし、面倒ですよね。
とはいえ、課題ですからなんとか休み中に仕上げないといけない…
なるべく時間をかけたくない!という人向けに、最小限の労力で、読書感想文を書き上げるコツについてまとめてみました。
目次
読書感想文の書き方のコツ
まずはじめに、読書感想文の書き方のコツの概要から触れていきます。
素直に「感想」を書くものという先入観を捨てる
多くの中学生・高校生が勘違いしてしまいがちなところですが、「読書感想文」という言葉に騙されてはいけません。
ただ感想を書けばよいというわけではない、ということをまずは理解しましょう。
「感想っていうんだから、思ったことを書けば良いんでしょ?」と思うかもしれませんが、ただ思ったことをダラダラ書いてしまうと、おそらく文字数が足りなくなってきます。大抵の読書感想文には、「原稿用紙~枚分」といった規定の文字量が定められていることが多いので、その量に収まりませんし、仮に文字量が決められていない場合でも読みづらく、まとまりのない文章になってしまいます。
私も学生時代は、「読書感想文は感想を好き勝手書けばいいもの」考えていて、この罠にはまってしまいました。その結果、見事に文字量が足りなくて、読書感想文がなかなか終わりませんでした。
ですので、読書感想文を書きなさいという課題が出たらそれは実は「~字の読書レポートを提出しなさい」と言われているように解釈するほうが妥当です。
「レポート」と言われても中学生だとなかなか想像が難しいかもしれませんが、高校生であれば少しずつ慣れておきたいところです。レポートというのは、特定のトピックに対して、調べた結果や自分の意見をまとめ「他人に伝わるように」書いたものです。
大学ではこういった「レポート」の提出を課されることが多くなりますので、その練習と思っておくといいかもしれませんね。
読書感想文が苦手な人でも、型にはめれば簡単に書き終わる!
上記のような考え方で取り組めば、「読書感想文といってもとくに感想とかないし…」という、読書の苦手な人、文章を書くのが不得意な人でも簡単に読書感想文の課題を終わらせることができます。
そう、読書感想文は「型にあてはめて書けば、簡単」なのです。
もっとわかりやすく言えば「読書感想文っぽいテンプレート」に自分の感想を少しだけ当てはめればよいのです。(テンプレートの関しては、後ほどご紹介します。)
これなら、感想文をまとめるのが苦手な人でも、簡単かつすぐに課題を終わらせることができますよね?
読書感想文に必要なところだけ本を「読まずに分析」する
そうはいっても「本を読むの自体が苦手」という人も少なくないかもしれません。そういった人に有効なのが、読書感想文に必要なところだけ本を「読まずに分析」する方法です。
後ほど紹介する「読書感想文っぽいテンプレート」に必要なところだけ、本から情報を得るように「調べる」ことで、漫然と読む時よりも目的が明確になります。
たとえば、小説などであっても「主人公が挫折を経て成長したこと」について触れる場合、関係のないシーンはある程度読み飛ばしてもOKだということです。
読書が苦手な方がよくやりがちなのですが、すべてを「きっちり精密に読み込んで覚えてから」読書感想文を書く必要はないのです。
これは実は、国語(高校生であれば現代文)のテストにも活用できる方法なので、ぜひ試してみてください。
本が苦手な人は「新書」を選ぼう!
最後のコツですが、どれを選んだらいいかわからない、本は苦手という人は、「新書」を選ぶようにすると読書感想文が書きやすいです。
新書というのは、文庫サイズよりもすこし縦長で大きいサイズの本です。書店や図書館などにいくと、すぐわかると思います。わからなければ、店員さんや司書さんに「新書のコーナーはどこですか」と聞きましょう。
なぜ本が苦手な人向けに新書をおすすめするかというと、新書には「評論文」形式の本が数多く出版されているからなのです。
たとえば、2014年に年間ベストセラーになった新書には
- 炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学
- 人の命は腸が9割 大切な腸を病気から守る30の方法
- 歴史をつかむ技法
といったタイトルがあります。
読書感想文というと、どうしても小説や読み物・エッセイなどの感想を書くものと思いがちですが、本が苦手な人が小説などの感想をまとめるのは比較的ハードルが上がってしまいます。
逆に、一見ハードルが高そうな評論文形式の親書は、実は感想文にまとめやすいんです。
評論文形式の本がなぜ読書感想文にしやすいかというと、著者の主張がはっきりしているから。読者の受け取り方によってはどのようにも読めてしまう小説などと異なり、評論文形式の本は「トピック(話題)があって、それに対して著者が意見やその根拠を述べる」という非常に論理的な構成になっています。
これは、評論文形式の本であれば大抵どの本でも同じような構成をしています。ですので、前述した「本の分析」がしやすいのです。
というわけで、本が苦手すぎて読書感想文どうしたらいいんだ!という方は、評論文形式の新書を選択することをおすすめします。
読書感想文の構成はどうすればよい?
読書感想文のコツで「テンプレートにあてはめる」と書きましたが、具体的に読書感想文の構成はどうすればよいのでしょうか。
大事なのは、最初に構成の概要を決めること
読書感想文の構成で大事なのは、一番最初に構成の大まかな概要を決めることです。
本を読むのが最初ではありません!
まず読書感想文に使用したい本を決めたら、その本の目次を見ましょう。裏表紙に概要やあらすじがまとめてある場合は、そこも確認します。そうすると大抵、「この本はどういう内容なのか」が分かります。
あなたが次にすることは、著者が訴えたいことに対して「自分はそれに賛成・反対」を決めることです。決めたら、どうして賛成・反対なのか、理由を書き出しましょう。
そこが決まったら、いよいよ構成に移ります。
読書感想文の構成の決め方
先ほど確認した本の内容と、自分の賛成・反対とその理由をもとに、構成を作成します。
構成の順番は以下の通りです。
- 冒頭:本の概要
- 2番目:本の著者の主張とその理由・根拠
- 3番目:自分の主張
- 4番目:自分の主張の理由・根拠
- 5番目:締めくくり
あとは、この構成に応じた文章が書けるように、情報を拾いながら本を読んでいけばOKです。
では、それぞれのパートについて、詳しく補足しておきますね。
冒頭:本の概要
まず、読書感想文の冒頭では、感想をまとめたい本の簡単な内容について、読者に知らせます。あなたが読んだ本が、ざっくりまとめるとどういった内容なのかという点です。
ここは、裏表紙の概要や目次を参考に書きましょう。ただし、丸写しはいけません。
また、自分の主張が特になくて文字数が稼げないという場合は、この部分をすこしふくらませるのもアリです。ふくらませかたとしては、本の要約部分を増やすのではなく、その本の扱うトピックが、今の社会とどう関係しているかといったことを書くと、効率的に、かつ違和感なく文字量が稼げます。
2番目:著者の主張とその理由・根拠
次に、本の著者が何を主張しているかと、その理由・根拠について、感想文を読む人に紹介します。一番目とかぶる部分も大きいですが、ここではより詳細に説明を行います。
例えば、「糖質制限をしたほうが身体にいい!」という主張の本があったとしたら、おそらくその本の中には「なぜ糖質制限をしたほうが身体にいいのか?」という根拠が書かれているはずです。
それを目次から探しだして本文に簡単に目を通し、「この作者は、こんな根拠に基づいて、こう主張しています」と書きます。
最初に決めた賛成・反対などの自分の主張については、その次に書きますのでとりあえず脇においておいてください。
3番目:自分の主張
3番目に、構成を作る際に決めてもらった賛成・反対について述べます。
例えば、先ほどの糖質制限の本の例であれば「私も、糖質制限をしたほうが、身体にいいと思います」などのように書きます。(もちろん、反対意見であっても構いません)
四番面:自分の主張の理由
最後に、自分の主張についての理由を述べます。
文章を書くのが苦手な人の中には「理由って言われても…そう思ったから思っただけだし」と尻込みしてしまう人も居るかもしれませんが、ここにも実は理由を書きやすくするコツがあります。
あなたは、賛成を選ぶ際に、本の著者の提示したどの根拠にいちばんもっともらしさを感じましたか?あるいは、反対を選んだ方は、どの根拠が一番納得がいかず、怪しいと思いましたか?
そこが、あなたの主張の理由を書く、種になるポイントです。
著者の主張の中で一番納得できた・納得出来ないところについて、少し深掘りしてみましょう。そして、それに絡めてあなたの周囲の日常的な関わりを述べてみましょう。
すると、途端に「自分の意見にきちんとした理由があるように」見えます(笑)つまり、立派に意見を述べているように見せることが出来るのです。
先ほどの糖質制限の例であれば「現代人は糖を摂り過ぎているという研究データに共感したので賛成」だったとします。
次に、あなたが日常で「糖を摂り過ぎている」と感じる例を挙げます。「菓子パンやスナック菓子、甘いものなどを食べる習慣が自分や家族・友人にもある」「それで太ってしまった」「なかなかやめられない、中毒性がある」といった理由でも十分です。
最後に「だから、この著者の言っていることは妥当であると私は感じた」という風にまとめれば、あなたの主張の完成です。
最後に、展望を述べれば完璧
ここまででも読書感想文としては成り立ちますが、最後の段落などで、本の著者の述べている主張や意見などに対して、今後の社会でどうなっていきそうか、あるいはどうなって行ってほしいかについて述べると、よりそれらしく文章をまとめることができます。
読書感想文の書き出しやまとめの例
それでは、サンプルとして具体的な読書感想文の書き出しやまとめの例について挙げていきたいと思います。
書き出しの例
書き出しの例としては、以下のようなもので始めるとスムーズに書いていけます。
「(本の内容)というテーマでベストセラーとなった(本のタイトル)について、感想をまとめます。」
「(トピックの名前)について(著者)氏が執筆した(本のタイトル)について、読んで感じたことをまとめます。」
正直なところ、書き出しについてはそこまで重要ではありませんので、「こういう本の読書感想文を書きますよ」ということが伝わればOKです。
読書感想文において重要なのは、構成です。構成がしっかりしていれば、文章がヘタでも、内容が稚拙でも、なんとか体をなします(笑)
構成をあらかじめきめておいてあとは当てはめるだけにしておけば、適当に書きだしたけど最後まで書ききれない!ということもないので、いきなり書き始めずにまずは構成を決めるところから始めましょう。
まとめの構成の例
先ほどご紹介した構成は最後に自分の主張を述べるものでしたが、本の概要のあとにいきなり自分の主張を述べ、そのあとで「著者はこう言っているが…」と反論を述べていくパターンでも書けます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
読書感想文は読書が苦手だと、苦痛でしょうがない課題ですよね。読書が好きな私も、読むのは好きでも感想をまとめるのに苦労した覚えがあります。
コツを掴んで、なるべく考えずに機械的に書いていくことで、労力を減らしてさっさと終わらせましょう!