さつまいもを切って放置していたら、色が変わったしまったことはありませんか??
あの色が変わってしまう原因は、実はあく(灰汁)なのです。
鍋をしたり煮込み料理を作った時に、野菜を煮込んだ時に出てくるあく(灰汁)と同類です。
今回は、さつまいもの「あく」について、成分やあく抜きの必要性などについて解説していきたいと思います。
目次
さつまいもの「あく」の成分は?
さつまいものあくの成分は“ポリフェノール”です。
抗酸化作用が強く栄養価は抜群ですので、栄養学的には身体に良い成分ということですね。
野菜の種類によっては、あく(灰汁)が有害になる場合もあります。
ホウレンソウや山菜、タケノコなどのあくには、シュウ酸や青酸と呼ばれる成分が含まれていますが、これらを食べた場合、結石や腹痛の原因になるリスクがあります。
本来、あくは植物自身が昆虫などから自分の身を守るためのものですので、あくの種類によっては人間にとっても外になる場合があるということですね。
ただ、さつまいものあくに関しては、人間にとっては有害とはなりませんので安心して下さい。
さつまいもを料理する時、あく抜きは必要?
栄養学的には、さつまいもの場合はあく抜きをする必要はありません。
ただし、さつまいもを料理に使う場合は、色の変色防止にあく抜きをした方がよいと言われています。
また、煮物にする場合では、あく抜きをした方が味がしみわたりやすいので、水にさらしてあく抜きをします。
レモンと一緒に煮ると変色防止になりますので、こちらもおすすめです。
離乳食で利用する場合は、えぐみなどが残っているとびっくりしてしまいますので、あく抜きしてから調理するほうがいいでしょう。
要は、色合いや味付けといった観点から、あく抜きが推奨されるケースがあるということです。
あく抜きが特に必要でない場合
さつまいもを料理に使い、色合いや味付けといった点にこだわりたい場合はあく抜きが推奨されますが、それ以外であれば通常あく抜きは必要ありません。
あくは栄養豊富なため、むしろ水にさらし過ぎると、その栄養が逃げてしまいます。
行うにしても、必要最低限したいものです。
変色が気にならなければ、あく抜きを行わないことをおすすめします。
いわゆる手の込んだ料理ではなく、焼き芋やふかし芋として食べる場合は、あく抜きをせずにそのまま食べる方が栄養の恩恵を受けられますよ。
あく抜きをした方が良い場合
上記でも触れましたが、色の変色を避けたい料理の場合は、あく抜きをした方がよいでしょう。
さつまいものあくは強いため、切ってそのままおいておくとすぐに色が変わってしまいます。
また、てんぷらなどの場合も、水にさらして表面のでんぷんを流した方が、カリッと揚がります。
煮物では、あく抜きすることで、調味料がしみこみやすくなります。
さつまいものあく抜きをする場合の時間と方法
さつまいものあく抜きは5~15分程。
水につけていると、水の色が濁ってきますので濁ってきたら水を新しくします。
それを2、3回繰り返します。
また、皮をむく場合は、皮の付近にあくがありますので、皮は厚めにむくようにしましょう。
水にレモンや酢を加えると、さらに変色しにくくなります。
焼きいもを作る場合は、両端を切って塩水につけておくと塩気がさつまいもにうつり、おいしく仕上がります。
まとめ
さつまいものあくに含まれる成分は、ポリフェノールです。
酸素に触れると変色しやすく、苦味やえぐみを感じますが、ポリフェノール自体は栄養が豊富ですので、あく抜きを必要最低限にしたいものです。
ただし、煮物など切り身が見える調理の場合は、変色を防ぐために水に浸してあく抜きするのがおすすめです。
あく抜きをすると煮物の味もしみこみやすくなります。
また、水に浸すと表面のでんぷんが流れるため、カリッとした仕上がりになります。
あく抜きは、5~15分ほど。
浸した水が濁るので2、3回は取り替えてください。
調理方法によって、あく抜きをしっかりする、しないなど使い分けるといいですね。