年末年始のイベントとしてお馴染みの「除夜の鐘」。
なんとなく毎年見ていても、詳しいことまではなかなか分かりませんよね。
今回は除夜の鐘にまつわる、
- 除夜の鐘の回数の意味
- 煩悩の数が108の理由
- 鐘を突くのはお寺か神社か
といった話題をまとめています!
目次
除夜の鐘の回数の意味
除夜の鐘とは、大晦日(12月31日)の深夜つく鐘のこと。
ちょうど日付が変わる頃、深夜0時をまたぐように鐘をつきます。
混みあう初詣のために早めにお寺に行くと、鳴らしているのを聞くことができます。
実際に聞いたことがなくても、テレビで中継されているのを見たことがない…という方はなかなかないらっしゃらないでしょう。
そういう意味で除夜の鐘は、非常に身近な行事であるといえます。
さてこの除夜の鐘、全部で108回つくと決まっていることを知っている人も多いのではないでしょうか?
でも、なんで108回と決まっているのでしょうか?
100回ではなく、あえて108回というところに、意味を見出せるのでは?と考えた方は鋭いです。
もちろん、この回数に決まっているのには理由があり、108回というのは「人間の煩悩の数」を示していると言われているのです。
煩悩というのは、「食欲」「睡眠欲」「性欲」などの人間の欲望のことで、仏教の世界では修行の妨げになる苦しみの根源として扱われています。
除夜の鐘とは、 年の瀬にこの108の煩悩を祓うための行事 なのです。
煩悩の数が108の理由
108という数字が煩悩の数を示しているといっても、それはなぜなのでしょうか?
仏教では人間の感覚を6つに分類しています。
それぞれ目・耳・鼻・舌・身・意といい、これらは「六根」という総称で呼ばれています。
この六根はそれぞれ状態が「好・悪・平」の三種類に分類され、さらにそれが煩悩に汚れているかどうかで「浄・染」の二種類に分けられます。
これに「前世・今世・来世」を加え、掛け算した結果が「108」という数字なのです。
内訳を詳しく見ると6×3=18、18×3=54、54×2=108、ということですね。
適当に煩悩を108個並べたのではなく、きちんと法則があるとは驚きですね。
つまり除夜の鐘とはもともとは仏道修行に励むお坊さんたちが、生きているうちにどうしても抱えてしまう怒り・執着などこれら108の煩悩を鐘をつくことによって祓い、解脱に到れるようにと行われていたものだったのです。
はじめはお寺の行事でしたが、次第に修行に励むお坊さんだけでなく、俗世の人間である私達も彼らに習って煩悩を祓おうと広まっていきました。
ちなみに、鐘の周りには「乳(ち)」と呼ばれる小さいポツポツとした突起があるのですが、あれもなんと実は108個。ちゃんと煩悩の数に合わせて作られているんですね。
除夜の鐘をつくのは神社?お寺?
除夜の鐘といえば、初詣と一緒くたに考えている方も少なく無いと思います。
「除夜の鐘って神社だっけ?お寺だっけ?」と実はよく知らないという人もいるでしょう。
除夜の鐘をつくのは、お寺だけです。
元はお坊さんの修行の一環だったわけですから、神社ではやらないものなのです。
ですので、除夜の鐘と初詣両方行きたい!と思ったら、面倒ですが神社とお寺をハシゴすることになります。
こちらも作法は寺や流派によって異なる場合があるので、比べてみるのも面白いかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
もうすっかり多くの人が見慣れている除夜の鐘ですが、その実態といえば知っているようで意外と知らないものですよね。
今年の暮れに除夜の鐘を耳にしたら、ぜひ思い出してみてください。