電力自由化が本格的に稼働すると、電気の使用量が多い家庭ほど電気代が安くなります。
例えば、オール電化住宅では電気の使用量が必然的に多くなり、電気代が生活費に直結するため、安い新電力に乗り換えることを検討している方は多いと思います。また、電力自由化を機に住宅自体をオール電化住宅に切り替える方も出てくるかもしれません。
今回は、電力自由化に際してオール電化住宅のお得な点はもちろん、新電力に乗り換えることのデメリット・リスクについてもまとめています。
オール電化住宅にお住まいの方にとって電力自由化はかなりの関心事だと思いますので、メリットとデメリットを正しく理解していただき、最終的な判断材料一つとしていただければ幸いです。
目次
電力自由化でオール電化はお得?割引率はどれくらい?
まず、電力自由化でオール電化住宅はどれくらいお得になるのでしょうか?
新電力に乗り換えた場合の割引率は、新電力各社の平均でおおよそ8~10%ほど言われています。仮にオール電化住宅で電気代が2万円かかっている場合は、1か月あたり2000円前後安くなるという計算になります。
既存の電力会社から乗り換えてもらうため、新電力各社は既存の電力会社のプランよりも安めの料金を作成・提供していることがほとんど。そのため、上記の様な割引率になります。
ちなみに、旧電力会社も電力自由化に合わせて新プランを導入していますが、その割引率は5%程度と言われています。電気使用量が少ない場合は実際の金額差はそれほど大きくなりませんが、オール電化住宅の場合は結構な差になってくると思います。
電気料金以外の新電力のメリット
電力会社によって価格自体はそこまで安くならない場合でも、その他のサービスがセットになっていたり、ポイント還元など、これまでの電気会社では行われなかったメリットが付いていることが多いです。
貯まるポイントはTポイントや楽天スーパーポイント、Pontaなど、汎用性の高いものが多いのもいいですし、「電力の見える化」など、消費量がひと目で分かるような工夫や、夜型生活の人にも安心な24時間単一料金プランを用意している会社もあります。
このことから、少しでも電気代を節約したい!という家庭には、オール電化住宅で新しい電気会社を選ぶという選択肢はありだと言えます。
新電力のデメリットやリスクは?
ただ一方、気になるのが新電力のデメリットやリスクです。いくつか想定できるデメリット・リスクを取り上げてみたいと思います。
契約年数に縛りがあるケース
今契約している電気会社から新電力会社に乗り換えて、その後更に別の新電力会社に乗り換える場合に違約金が発生するケースがあることは、デメリットの一つと言えるでしょう。携帯電話の2年縛りの契約と似ていると考えれば、イメージがわきやすいでしょうか?(全ての新電力会社がこういった縛りを行っているわけではありません)
もし今後、頻繁に電力会社を乗り換える可能性が高いなら、「解約時の違約金なし」と書かれている会社を選ぶのが良いかもしれません。
逆に、そういった縛りがある新電力会社はその分料金が安く設定されているケースが多いので、最初から長期契約を見据えている場合はあえてそのような会社を選択するというのも一つの考え方です。
オール電化が持つ潜在的なリスク
これは新電力のリスクというよりも、オール電化住宅が持つ潜在的なリスクになりますが、停電などが起こるとキッチン・お風呂・暖房などが全て停止してしまいます。
オール電化住宅は電気で全て動いている関係上、そういったリスクは頭に入れておく必要があります。実際、東日本大震災の時にも停電が起きましたが、そういった災害が起きることも念頭において置かなければなりません。
特に、北海道や沖縄など夏・冬の気候が厳しい地域などは、オール電化住宅に住む際、特段の配慮が必要になってきます。
電力自由化を機にオール電化住宅に住み替える、切り替えることを検討している場合は、
- ガス缶や電池で動くタイプの冷暖房器具を用意する
- 電気を必要としないで作れるインスタント食品を用意しておく
- 太陽光発電などの自家発電設備を併設しておく
といったリスク管理が必要が生じることは、頭に入れておきましょう。
まとめ
これからオール電化への切り替えを検討している方は、オール電化住宅の持つ潜在的なリスクも考慮する必要がありますが、すでにオール電化住宅にお住まいの方は、今回の電力自由化で電気代が安くなることは間違いありません。
新電力への切り替えはもちろん、これまでの旧電力会社も電力自由化を機にお得な新プランを導入しているところが多いですので、このまま電力会社を変えずに割引を受けたい場合も、プランだけは変えた方がお得ですよ^^